Two people looking at a medical scan of a brain. Two people looking at a medical scan of a brain.

EHC Consulting が Azure を活用して医療のクラウド移行を推進

EHC Consulting は、Community Health Network における Microsoft Azure への移行を支援することで、900 万ドルのハードウェア コストの回避と、AI を活用した医療の基盤構築に貢献しました。

2025 年 11 月 10 日

世界中の医療機関は、特に電子カルテ (EHR) システムのホスティングや運用において、インフラの近代化と資本コストの削減に取り組んでいます。多くの医療機関にとって、従来のオンプレミス型モデルは、頻繁なハードウェアの更新が必要となり、柔軟性が制限されるため、持続可能ではなくなっています。同時に、クラウドネイティブな医療提供や AI を活用した分析への移行が加速しており、コントロールを維持しながらモダナイゼーションを進める緊急性が高まっています。

この機会を活用しようとする医療関連組織がデジタル トランスフォーメーションを進めるうえで、知識豊富なパートナーの価値は計り知れません。EHC Consulting はその道をナビゲートする支援を行っています。Microsoft ソリューション パートナーとしてクラウド アーキテクチャと医療モダナイゼーション分野の深い専門知識を持つ EHC は、大規模医療提供者向けの複雑な移行のサポートを専門としています。

インフラに関する難しい課題を創造性と精密さで解決する能力を持つ EHC は、業務への影響を最小限に抑えセキュリティを維持することが最重要視される医療業界にとって理想的な存在です。Community Health Network は、老朽化したオンプレミスの Epic 環境をアップグレードするにあたり、戦略的かつ前例のない Microsoft Azure への移行を主導を EHC に依頼しました。

老朽化したインフラと高コストが大胆な転換を促す

インディアナポリスに拠点を置く Community は、インディアナ州最大級の非営利医療機関の 1 つで、200 以上の医療施設を展開しています。多くの大手プロバイダーと同様、Community は EHR プラットフォームである Epic を使って、患者データ、臨床ワークフロー、病院の運営を管理しています。Epic は同組織における医療提供の中心であり、そのパフォーマンスはネットワーク全体の臨床医や患者に直接影響を与えます。

従来、Community は Epic をオンプレミスで運用していました。しかし環境が老朽化するにつれて、維持にかかるコストと複雑さが増大しました。ハードウェアの大規模更新には最大 900 万ドルの費用がかかる可能性がありました。こうした課題の打開策として、経営陣はモダナイゼーションの検討を開始しました。レガシー システムに再投資するのではなく、Community は Epic を長期的な成長を支援するクラウドネイティブなモデルへ移行したいと考えました。さらに、3 億ドル規模のクラウドネイティブ型病院の新設など、デジタル基盤のアップグレードを必要とする野心的な計画もありました。

しかし、このような移行には多くの課題が伴いました。Community は以前にも Epic をクラウドでホスティングすることを検討していましたが、コストが高いことや運用管理権を失う可能性があるため、その案を退けていました。Community は、Epic 環境の運用管理権を維持しながら、パフォーマンスとスケーラビリティを向上させるソリューションを必要としていました。

この課題に取り組んだのが EHC です。Community が既に 5 年間の Microsoft Azure クラウド利用契約を結んでいることを踏まえ、EHC は Community のコスト削減だけでなく、Epic 内のインフラをクラウドネイティブな Azure 環境へ移行し、最も重要なワークロードを安全にモダナイズしながら完全な運用制御を提供するチャンスであると捉えました。前例のない挑戦でしたが、EHC と Community は協力して大胆な戦略を実行しました。

医療用冷凍庫の中身を調べている人物。

「ベンダーがただ構築して、あとは引き渡すだけという状況にはしたくありませんでした。真の共同構築を目指したのです。」

— Community Health Network テクノロジ サービス担当副社長 Chris Stewart 氏

ゼロから築き上げられた、前例のない移行プロジェクト

当初から、このプロジェクトは協働的な取り組みとして設計されていました。EHC は、Community の強力な社内IT部門と密接に連携し、移行の全工程を共に進めながら、同社が環境を長期的に管理およびスケーリングできるよう支援しました。

「ベンダーがただ構築して、あとは引き渡すだけという状況にはしたくありませんでした。」と、Community Health Network のテクノロジ サービス担当副社長である Chris Stewart 氏は述べています。「真の共同構築を目指したのです。」

この取り組みは、インフラと環境の完全な評価から始まり、非本番環境、トレーニング、災害復旧 (DR)、そして最終的に本番環境を含む段階的な展開戦略へと進みました。Microsoft はプロジェクト全体を通じて積極的かつ中心的な役割を果たし、ECIF の資金提供による導入支援に加え、Well-Architected Framework や Go-Live Readiness 評価でソリューションを検証しました。稼働開始後はクラウドホスト型 Epic 環境を自立して運用できるように、この移行には、Community チームを対象とした Terraform および Azure プロビジョニングに関する実践的なトレーニングも含まれていました。

EHC Consulting がハードウェア コストを 900 万ドル削減したことを示す図。

最終的に、この協業は業界初となる数々の成果を生み出しました (プロジェクト チームの報告による)。EHC は、Epic 向けに InterSystems のEnterprise Cache Protocol (ECP) を用いてソリューションを設計し、ネイティブの Microsoft Azure でこのアーキテクチャが初めて採用された事例となりました。さらに、チームは Epic の実稼働ワークロード向けに Azure Ultra Disk を導入しました。これはこの種の導入事例としては初の試みでしたが、DR テスト時に期待以上のパフォーマンスを発揮し、オンプレミス システムへのフェイルバックの必要性を排除するものでした。

EHC、Microsoft、Community は協力して、将来を見据えた医療のための安全でスケーラブルな基盤を構築しました。これは、運用管理権を維持しながら長期的なイノベーションを可能にする基盤です。その過程において、各チームは常に緊密に連携し、課題のトラブルシューティング、アーキテクチャの検証、知識の伝達をリアルタイムで行いました。「私たちは Microsoft を信頼し、Microsoft も [EHC Consulting] を信頼していました」と、Stewart 氏は語りました。「この信頼の連鎖が威力を発揮したのです。」

A smiling doctor holding a tablet and talking to a patient. A smiling doctor holding a tablet and talking to a patient.

「私たちは Microsoft を信頼し、Microsoft も [EHC Consulting] を信頼していました。この信頼の連鎖が威力を発揮したのです。」

— Community Health Network テクノロジ サービス担当副社長 Chris Stewart 氏

今後の AI 活用医療を支える最新の基盤

プロジェクト完了後、その成果はすぐに実感できました。Community は 900 万ドルのハードウェア刷新を回避し、その資金をさらなる前進や患者ケアに再投資することができました。また、Epic の応答時間を 20% 短縮し、例外発生率を 50% 削減しました。しかも、12 か月の移行期間中、業務の中断やフェイルバックは一切発生しませんでした。現在、同社は Azure でホストされる Epic 環境を独立して運営しており、Terraform および Azure プロビジョニングに関する実践的な専門知識を備え、完全な運用管理権を持っています。

移行とソリューション導入以降、Community は社内全体で Microsoft Azure の利用を拡大しています。分析を Azure Databricks に移行し、Microsoft Dynamics を採用し、ライセンス変更への対応として VMware ワークロードを Azure に移行する作業を開始しました。

継続的な近代化と AI 活用能力の向上を見据え、AI およびガバナンス ディレクターを任命し、Nuance DAX Copilot を導入して、Azure Machine Learning、Power BI、PowerApps を活用した自動化および分析ツールの構築に着手しました。同社は現在、大規模言語モデル (LLM) のユースケースを積極的に探求しており、Azure Virtual Desktop への移行に向けて取り組みも開始しています。

この変革により、Community Health Network のデジタル体制は大きく変貌しました。分析や自動化から AI や仮想化に至るまで、Community はよりスマートで連携の取れたケアを支えるインフラを構築しています。EHC Consulting と Microsoft を戦略的パートナーとして迎えることで、チームはクラウドネイティブな医療サービスの次世代をリードする絶好のポジションを獲得しています。

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