Two men collaborating at a desk in a modern office. Two men collaborating at a desk in a modern office.

Intcomex と Inovait は AI とリアルタイムのインサイトでイベント エンゲージメントを変革

中南米のディストリビューターである Intcomex は、AI およびクラウド ソリューションに特化したパートナーである Inovait と提携し、Microsoft Copilot と Azure を使用して AI を駆使したイベント エクスペリエンスを提供しています。

2025 年 8 月 6 日

多くの会議では、参加者は終了後、紙のアジェンダを手にしながら、名前をすぐに忘れたり、会議で何が起こったのかを思い出せなかったりと、圧倒された気分になります。重要な会話が混乱の中で埋もれてしまい、機会を逃してしまうことも少なくありません。

中南米とカリブ海地域で事業を展開する Intcomex は、この状況を変えたいと考えていました。同社は、クラウド サービスから物理インフラストラクチャまで、さまざまな分野のパートナーや顧客をサポートすることで知られており、事業のあらゆる層にデータとインテリジェンスを組み込むことで高い評価を得ています。

Intcomex は、Microsoft と、AI とクラウド ソリューションに特化したプロバイダーである Inovait と協働し、そのインテリジェンスを主力顧客のイベントに導入しようと考えました。Intcomex は、一般的なイベント エクスペリエンスではなく、AI を駆使したリアルタイムのインサイトによって参加者がすべてのセッション、会議、交流を最大限に活用できるようなイベント エクスペリエンスを思い描きました。

イベント エクスペリエンスの刷新

「ほとんどの人は、イベントを終えても紙の束を持ち帰るだけで、何をしたかほとんど覚えていません」と、Intcomex の中南米担当クラウド セールス ディレクター、Camilo Ballen 氏は語っています。

Intcomex にとって、このような断片化はあらゆる面で問題を生み出していました。参加者は、そのときに何が起こっているのか、または何に注意を向けるべきかがわからず、貴重な会話の機会を逃していました。一方、ブースのスタッフは、参加者を出迎える際に名前とバッジしか手がかりがなく、商談につなげたり、契約をまとめるために役立つような背景情報を得ることができませんでした。イベントの事前登録やデジタル アジェンダがあっても、誰が、いつ、何に興味を持ったのか、どのようなコンテンツが本当に興味を喚起しているのかを統合的に把握することはできませんでした。データ重視なことで知られる同社にとって、自社イベントにおけるデジタル エクスペリエンスと現地でのエクスペリエンスの間に連続性がないことは、大きな見落としだと感じていました。

しかし、Intcomex が求めていたのは、受動的な追跡やイベント後のレポートだけではありませんでした。同社が思い描いていたのは、リアルタイムで参加者をダイナミックにガイドし、インテリジェントなコンテキストで会話をサポートし、最後の基調講演が終わった後もずっと役立つビジネス インサイトを提供する方法でした。その目標は、より良いイベントを作り上げることだけではありませんでした。顧客と企業の両方にとって、よりスマートでつながりのあるエクスペリエンスを創造することだったのです。


ノート PC を持っている人物とタブレットを持っている人物。

「ほとんどの人は、イベントを終えても紙の束を持ち帰るだけで、何をしたかほとんど覚えていません」

–– Intcomex、中南米担当クラウド セールス ディレクター、Camilo Ballen 氏

Inovait と Azure AI を使用したリアルタイム エンゲージメント レイヤーの設計

このビジョンを実現するため、Intcomex は AI とクラウド トランスフォーメーションに特化したマイクロソフト ソリューション パートナー、Inovait と提携しました。両社は共同で、公式イベント アプリに組み込まれるインテリジェントなイベント アシスタント、NATALia を開発しました。これは Microsoft Copilot Studio と Azure を活用したものです。このソリューションは、物理的な信号とデジタル インテリジェンスを融合させ、イベント全体にリアルタイムのエンゲージメント レイヤーを構築しました。

まず、会場全体にインテリジェントなビデオ機能を備えたカメラが設置されました。これは、顔認識と動作追跡を使用して、参加者がどこにいるか、イベント スペース内をどのように移動したかを把握します。これには機密性の高いデータが関係するため、セキュリティとプライバシーは設計当初から組み込まれました。チームは匿名化された識別子を使用し、個人情報へのアクセスを制限しました。将来のバージョンでは、さらに厳格な管理を計画しています。

これらのデータはすべて Azure Event Hub にストリーミングされ、Azure Stream Analytics を経由して Azure SQL Database に保存されました。そこから Azure Machine Learning モデルが、特定のブースに滞在した時間、セッションへの参加、過去の購入履歴といった行動パターンを分析し、参加者の関心を推測しました。

これらのインサイトにより、NATALia とのパーソナライズされたやり取りができるようになりました。参加者はアプリを通じて、自分のアジェンダの確認、会議のメモの見返し、基調講演やセッションの要約を実行できました。まだ訪れていない関連ベンダーやエリアがある場合、NATALia はリアルタイムで推奨を行い、参加者がイベントを最大限に活用できるようサポートするコンシェルジュのような役割を果たしました。イベント後には、参加者は、主要なポイント、コンテンツへのリンク、新たな機会のリマインダーなどのパーソナライズされた要約を受け取りました。

NATALia は、Intcomex のスタッフにとってもメリットがありました。たとえば、顧客と対面する際、担当者は NATALia に尋ねると、顧客がこれまでに関わった部署、購入履歴、売り込むべき関連ソリューションなどの顧客のインサイトを即座に得ることができました。チームは、推測に頼るのではなく、有意義でパーソナライズされたコンテキストで会話を始めることができたのです。さらに、ビデオ データから作成されたヒートマップは、チームが関心が高まっている場所を特定するのに役立ちました。これにより、集客数が多いゾーンに追加のスタッフを送り、最も支援が必要な場所でリアルタイムに対応できました。

A group of people with laptops gathered around a table. A group of people with laptops gathered around a table.

「参加者は録音したり、メモを取ったりする必要はありません。必要なものはすべてすでに記録されているため、よりリラックスして集中できます。参加者はただ会話をして、後はテクノロジに任せておけます」

— Intcomex、戦略担当責任者、Daniel Ospina 氏

測定可能な影響と拡大に向けたロードマップ

結果的に、イベントでは大きな成果が得られました。メキシコ、チリ、コロンビア、ペルー、パナマなど、中南米の国々から 180 社以上の顧客を含む、350 名以上が Intcomex のイベントに参加しました。参加者とスタッフは、イベントのスムーズさ、運営、そしてインサイトを高く評価しました。

Intcomex の観点から見ると、イベント中にクロスセルやアップセルを行う能力は非常に価値のあるものでした。Microsoft のグアテマラ カントリー マネージャー兼南北アメリカ パートナー開発マネージャーである Erick Sosa は、既存の顧客データだけでなく行動や関心に基づいてオファーを提示するのに、このシステムがどのように役立ったかを次のように強調しています。「このソリューションでは、クロスセルを非常に簡単に実行できます。顧客が今関心を持っていることだけでなく、当社のすべてのベンダー製品群にわたって有用で関連性があるものを提案できます」

Intcomex と Inovait は、すでにこのソリューションのバージョン 2.0 の開発に取り組んでいます。次のバージョンにおける主要な目標は、複数日およびイベント後のシナリオのサポート拡大、匿名化とデータ セキュリティの強化、中南米全体の他の地域イベントへのプラットフォームの適用などです。

また同社は、このソリューションの一部、特に AI アシスタント、生体認証の統合、スケジューリング ツールを、バンドル製品として提供する可能性も見出しています。「これは単に Intcomex のためのソリューションではありません」と、Intcomex の戦略担当責任者である Daniel Ospina 氏は述べています。「これは、どこにでも応用できる、イベント エンゲージメントの新しいモデルなのです」

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