Tiger Analytics が Azure AI で航空会社カスタマー サービスを改善

2024 年 4 月 25 日

Tiger Analytics は 2011 年以来、AI/分析サービスとソリューションのグローバル リーダーとして、エンタープライズ データをインテリジェントなアクションに変換できるよう、顧客を支援してきました。ただし技術的な知識は、同社が大切にしている要素の半分にすぎません。

残りの半分は、イノベーションを受け入れて成長を促進できるように顧客をサポートすることです。マイクロソフト パートナーである Tiger Analytics は、Microsoft ソリューションに関する専門知識を活かし、競争の激しい市場で顧客が優位性を確保できるよう支援しています。

同社は、Microsoft とのパートナーシップにより、戦略、コンサルティング、管理、デジタル ソリューションによって顧客のライフサイクルの各段階をサポートするグローバルなカスタマー エクスペリエンス アウトソーシング組織である Inspiro にも出会うことができました。2 社の協力関係は、大手航空会社のカスタマー サポート業務に大きな影響をもたらしました。

面倒な検索プロセス

航空業界では、顧客から寄せられるきわめて高い期待に対し、信頼性と正確さに優れた迅速なサポートで応える必要があります。Inspiro は、フィリピンに拠点を置く大手航空会社の顧客に、音声通話と非音声通話の両方のサポートを提供しています。コンタクト センターのオペレーターは毎日、フライトの予約や払い戻しの処理から、特別な対応を必要とする乗客の支援まで、あらゆることをサポートします。

Inspiro ではそれまでに、航空会社と協力し、情報を整理および統合するナレッジ ベース ツールを開発していました。そのツールを使用することにより、オペレーターは特定のキーワードを使用して、ナレッジ ベースを検索できるようになりました。顧客がフライトの手荷物許容量について質問した場合、オペレーターはキーワードとして「手荷物」を使用できます。その応答として、検索ツールからは、ファイル名に「手荷物」が含まれるナレッジ ベース内のすべてのドキュメントのリストが提供されます。

「これらのドキュメントはかなり専門的な内容になる可能性がありますが、オペレーターはこれらに目を通し、できるだけ早く正しい情報を見つけるしかありません」と、Inspiro のオペレーション担当バイスプレジデントである Christian Fajardo 氏は述べています。

Microsoft AI を活用したインテリジェント ツール

Inspiro が Tiger Analytics に注目したのは、オペレーターがドキュメントを迅速に参照して問い合わせに応答するために役立つ、生成 AI を活用したソリューションの開発、実装、運用を検討していたためです。既存の検索ツールでは、自然言語クエリ、フル コンテンツ検索、コンテキスト検索がサポートされていませんでしたが、Tiger Analytics は、OpenAI 対応でこれらすべての機能を備えたナレッジ ベース検索ツールの開発に着手しました。

「無関係な情報や不正確な情報が AI によって生成されないように、プラットフォームをナレッジ ベースに接続する必要がありました」と、Fajardo 氏は述べています。「これは、インターネットを検索する代わりに、信頼できる情報源からのみ情報を取得することを意味します。」

Tiger Analytics では、カスタマイズされた自然言語処理 (NLP) モデルを使用して、航空会社のカスタマー エクスペリエンスに関する質問の微妙なニュアンスに対応できるようにツールを微調整しました。Tiger Analytics は、NLP モデルの開発とデプロイにあたり、Microsoft AI を活用するとともに、データと AI (Azure)、デジタルおよびアプリ イノベーション (Azure)、インフラストラクチャ (Azure) のソリューション パートナーとして自社が持つ専門知識を活かすことで、スケーラブルで将来性のあるシステムを実現しました。

• Azure AI Document Intelligence (旧称 Azure Form Recognizer) で、データ取得の効率化を実現。
• Azure AI Search (旧称 Azure Cognitive Search) を使用したドキュメント処理の自動化で、手作業によるエラーを削減。
• Azure Blob Storage で、安全性と拡張性に優れたデータ ストレージを提供。

Tiger Analytics のソリューションが従来のチャットボットから一線を画す点は、その柔軟性と精度です。「通常のチャットボットでは、事前に構造化された会話フローが用意されています。次々に用意された中から選択が行われます。一方、当社のソリューションはもっと柔軟であり、質問に対する回答を得ることができるのです」と、Tiger Analytics のシニア データ サイエンティストである Aashit Singh 氏は語ります。「適切なドキュメントのリンクだけでなく、ページ番号と、その応答を生成するために使用された上位 10 件の参照先も表示されます。このため、必要に応じて適切なドキュメントを開き、適切なページ番号までスクロールして、コンテンツをすぐに読むことができます。」

迅速な対応で顧客満足度を向上

今日、航空会社のオペレーターは、OpenAI 対応のナレッジ ベース検索ツールを使用することで、顧客からの問い合わせに対して数分ではなく、わずか 3 ～ 5 秒で回答できるようになっています。検索の高速化により、Inspiro での平均処理時間は、非音声サポートで 30.5%、音声サポートで 10.8% 改善されました。さらに、応答精度が 20% 向上し、チャット サポートと音声サポートの品質保証スコアがそれぞれ 12.3% と 5.4% 向上しました。

今後を見据え、Tiger Analytics と Inspiro では、さまざまな言語の翻訳サービスなど、検索ツールの機能拡張を目指しています。また、オンプレミスのファイル サーバーやクラウド ベースのシステムなど、組織内のあらゆるデータ ソースからデータを取得できるツールの可能性も模索しています。「当社では、柔軟でありながら構造化された会話を 1 つのバックエンド ソリューションに実装して、異なるインターフェイス間で提示する方法を検討しています」と、Singh 氏は述べています。

Microsoft との強力なパートナーシップに支えられた Tiger Analytics は、カスタマー サービス分野だけでなく、それ以外の分野でもイノベーションの推進を続ける体制を整えています。「航空からヘルスケアなど、さまざまな分野にわたり、当社は高度な AI ソリューションを活用してカスタマー サービスの水準を高めています」と、Tiger Analytics のアジア太平洋担当バイス プレジデントである Anupam Bhargava 氏は述べています。「当社では Microsoft との提携により、OpenAI とデータ主導の管理原則を活用し、カスタマー サポートの新時代を切り開いています。私たちは協力して、新たな未来の形成に取り組んでいきます。インテリジェントなソリューションによって顧客との対話の概念を覆し、オペレーターのあり方をアドバイザーとしての役割へと高めたいと考えています。」