Three people talking at a conference table. Three people talking at a conference table.

Valorem Reply と Azure は象徴的な宗教施設へのグローバル アクセスを実現

Valorem Reply は Azure を活用してサン・ピエトロ大聖堂のデジタル ツインを作成し、この象徴的なバチカンの施設への世界中からのアクセスを可能にするとともに、保存活動を支援しています。

2026 年 1 月 6 日

Valorem Reply は Azure の力を用いてサン・ピエトロ大聖堂のデジタル ツインを作成し、インターネット接続とデバイスがあれば誰でもどこからでもアクセスできるようにしました。

聖年 (ジュビリー) とは、カトリック教会が人々に赦しと和解を求めるよう呼びかける、特別な「慈しみの時期」のことです。伝統的に、信徒はローマへの巡礼を奨励されています。しかし、世界中に 10 億人を超えるカトリック信徒がいるため、バチカンの聖地には膨大な群衆が押し寄せることになり、聖地の損傷や危険な過密状態を招くリスクがあります。また、多くの人々にとって、時間的および経済的な理由により、ローマへ旅することは容易ではありません。

では、もし人々がローマに足を踏み入れることなく、サン・ピエトロ大聖堂を体験できたらどうでしょうか?それこそが、聖年であった 2025 年に Valorem Reply に対して課せられた課題でした。

「バチカンは、世界に 20 億人いるカトリック信徒のほとんどが、聖年に直接足を運べないということを認識していました。そこで彼らは、実際に大聖堂へ来て探索できない世界中の人々のために、ユニークで没入感のある体験を提供したいと考えました。このような試みは、これまで一度も行われたことがありませんでした」と、Valorem Reply のソーシャル インパクト テック担当リード、Ryan McCamy 氏は語っています。

バチカンは、聖年を迎えるにあたり、現地での展示と世界規模のデジタル体験の両方を構築することで、サン・ピエトロ大聖堂を広く紹介することを目指しました。Web 体験には、いくつかの方法でアクセスできます。大聖堂の起源と重要性をたどる「歴史的ストーリーテリング セクション」、美術と建築に焦点を当てた 30 〜 40 か所の主要スポットを巡る「バーチャル ツアー」、そして提携業者が撮影した 40 万枚の高精細画像から構築されたインタラクティブ 3D モデル (デジタル ツイン) です。

教皇の承認を得て、Valorem Reply は始動

サン・ピエトロ大聖堂のデジタル ツインを作成するためには、ローマの枢機卿との面会、大聖堂内部でのドローン飛行、そして 40 万枚のデジタル画像の Azure での収集および保存が必要でした。慎重な検討の末、2025 年に逝去された教皇フランシスコが、Valorem Reply が主導する形でこのプロジェクトを承認しました。

Valorem Reply は、世界規模で活動するマイクロソフト パートナーでありコンサルティング企業で、Microsoft と密接に連携してソリューションやサービスの共同販売を行っています。2009 年にカンザス シティで設立され、現在は 180 以上の専門コンサルティング会社からなる世界的なネットワーク「Reply Group」の一員となっています。Valorem Reply は、サン・ピエトロ大聖堂のデジタル ツイン作成を含むインクルーシブなソリューションへの取り組みが評価され、2025 年度の「Microsoft Inclusion Changemaker Partner of the Year」に選ばれました。

このエンゲージメントにおける最大の課題は、宗教的、文化的、芸術的に極めて重要な場所であるサン・ピエトロ大聖堂を、それにふさわしい配慮と正確さをもってデジタル化することでした。そのためには、枢機卿やその他の専門的ステークホルダーとの緊密な連携が必要であり、バチカンでの対面セッションを通じてアプローチを検証し、プロジェクトの重要性と独自性に見合う適切な厳粛さを維持しながら作業を行う必要がありました。

ノート PC の画面を指差す 2 人の人物。

「このような試みは、これまで一度も行われたことがありませんでした」

— Valorem Reply、ソーシャル インパクト テック担当リード、Ryan McCamy 氏

クラウド レンダリングを通じて遠隔地での体験を民主化

誰でも利用できるようにすることは、このプロジェクトの核心的な優先事項であり、Valorem Reply はこれまでにない没入感のある革新的な体験の提供を目指しました。同社は収集したデータを Azure ベースのモデルに取り込み、完全にアクセス可能な 3D 体験としてレンダリングしました。Azure の柔軟なレンダリング能力のおかげで、高性能なハードウェアを必要とせず、事実上あらゆるデバイスでこの体験を利用できます。

「Azure のパワーによりエンド ユーザー側の負担がすべて取り除かれるため、ユーザーはスマートフォンなど手持ちのデバイスを通じて操作するだけで済みます」と McCamy は語っています。「これほどの膨大なデータを、誰でも利用できる体験へと変えるための技術的専門知識とコンピューティング パワーを提供できるのは、Microsoft だけでした」

タブレット、スマートフォン、ノート PC など、どのデバイスでもユーザーはデジタル空間を簡単に探索できます。

Two people with phones talking. Two people with phones talking.

「これほどの膨大なデータを、誰でも利用できる体験へと変えるための技術的専門知識とコンピューティング パワーを提供できるのは、Microsoft だけでした」

— Valorem Reply、ソーシャル インパクト テック担当リード、Ryan McCamy 氏

訪問者とカトリック教会の双方が受け入れた成果

サン・ピエトロ大聖堂のデジタル ツインは目覚ましい成功を収め、訪問者やカトリック教会、そして歴史、文化、芸術に関心がある人々から高い評価を受けています。このことは、アクセシビリティと教育における本プロジェクトのインパクトを示しています。しかし、このプロジェクトの成功は、バチカンやその訪問者への恩恵だけにとどまりません。

サン・ピエトロ大聖堂を捉えた 40 万枚の高解像度画像は、この場所において史上最も詳細な視覚的記録となりました。これにより、ささいな亀裂などの微細構造的異常を評価できるようになり、継続的な保存およびメンテナンス活動を支援しています。このプロジェクトは、ドローン画像と AI の組み合わせが、バチカンのような歴史的建造物だけでなく、橋梁などの現代のインフラにおいても、構造の健全性を定期的に評価することで保存活動を推進できることを示しました。こうした保存活動は Valorem Reply の主目的ではありませんでしたが、収集されたデータは長期的な保存と監視において大きな付加価値をもたらしました。

Azure を活用し、アクセシビリティ、保存、ストーリーテリングという使命を継続

Valorem Reply は、サン・ピエトロ大聖堂の成功を足掛かりに、このアプローチを他の大聖堂、芸術施設、さらには屋外環境へと広げる機会を模索しています。同社は現在、セオドア・ルーズベルト大統領図書館のストーリーテリング体験に着手しており、文書や歴史の没入型デジタル プレゼンテーションに注力しています。AI と Azure ベースのソリューションを活用することで、チームは教育、アクセシビリティ、保存を融合させたインタラクティブな体験を創造することを目指しています。これにより、歴史遺産や文化遺産へ世界中からアクセス可能にすると同時に、それらの長期的なケアや研究を支援できる可能性を示しています。

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