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AI が、企業全体のプロセスや従業員の日々のデジタル エクスペリエンスにおいて、私たちの働き方を変革しつつあることに疑いの余地はありません。しかし、AI がもたらすビジネス上の価値についてはどうでしょうか?

IDC が最近行ったグローバル調査によると、企業は AI の統合により、迅速な投資回収と顧客満足度、生産性、市場シェアの大幅な向上を急速に実現しています。特に、40% の企業が導入期間は 6 か月以内だったと回答し、また AI 展開の 92 %が 12 か月以内に行われたと報告されています。

Microsoft Copilot が提供開始され、AI 機能は Microsoft Teams やさらに広範な Microsoft エコシステムにもたらされています。Copilot for Microsoft 365 を使用している独立系ソフトウェア ベンダー (ISV) は、Copilot を自社の Teams アプリに拡張したり、サードパーティのプラグインを利用したり、特定のニーズに合わせて独自にカスタマイズした Copilot エクスペリエンスを作成したりすることで、この機会を利用してビジネスを開始または成長させることができます。

Copilot for Microsoft 365 がもたらすビジネス チャンスを活用しているパートナー様の 1 例が、Atlassian です。同社の Confluence、Trello、Jira、Atlas などの製品スイートは、生産性とコラボレーションの向上に重点を置いています。Atlassian の首脳陣は、Copilot によって拡張性とマルチアプリのオーケストレーションが容易になり、ソフトウェア開発用のプロジェクト管理ツールがさらに速く使いやすくなることに気づきました。

Atlassian の Teams 用アジャイル ソフトウェア開発アプリである Jira Cloud は、すでに複数のツールの機能を 1 つのアプリ エクスペリエンスに統合しており、より明確なコミュニケーションおよびプロジェクト管理を実現しています。Microsoft Copilot 先行アクセス プログラムの一環として、Atlassian は既存のアプリをプラグインとして機能できるようにする機能拡張を構築し、Microsoft Graph コネクタを使用して新しい機能を追加しました。これらのアップグレードにより、ユーザーは作業フロー内でシームレスにタスクを追跡し、問題を解決し、プロジェクトを管理できるようになります。

この記事では、Jira プラグインがどのように Copilot の機能を活用してコンテキストの切り替えを減らし、一般的なタスクを大幅に高速化することでユーザー エクスペリエンスを向上させているかについて見ていきます。また、Atlassian がこのプラグインを開発した方法と今後どのように進化するかについての洞察にも触れます。さらに、パートナー様がパブリック プレビューに参加して独自のプラグインを開始し、顧客の AI 活用を支援する方法に関するリソースもご紹介します。

Jira プラグインと Copilot でユーザーの生産性を向上

今すぐに利用できる Copilot 用の Jira プラグインは、Teams メッセージ拡張機能と Microsoft Graph コネクタを併用することで、自然言語による簡単なプロンプトでデータとシステムをシームレスに接続し、さらにはアクションを実行します。Teams メッセージ拡張機能からプラグインを作成すると、Copilot が Jira アプリとインタラクションを行い、外部ソースの情報を検索できるようになります。Graph コネクタは、組織の外部データを Microsoft Graph に組み込み、Jira のナレッジ レイヤーを強化します。以下は、Copilot に未解決の Jira チケットの検索、表示、管理、割り当ての表示、週次アクション アイテムのサマリーのリクエストをすべて Teams チャット内で行うよう指示する方法を示す、簡潔ながらが興味深い例です。より詳細な指示を行い、実行したアクションを伝えるメールの下書きを Copilot に送信させることもできます。

Copilot が、ユーザーが編集できる Jira Cloud チケットへのリンクを含む、今週のアクション アイテムのリストを提供する様子を示す GIF

Copilot を使用することで、Atlassian は外部アプリケーションとナレッジ ベース間のインタラクションをカスタマイズして、問題の発見、追跡、解決を簡単かつ迅速に行うことができました。

AI を活用した効率化に関する記事はよく見かけますが、Copilot を利用することで組織が AI を活用し、Jira の例で紹介されているように、生産性をいかに簡単に実現できるかについては、あまり知られていないかもしれません。

Jira プラグインの開発プロセス

Microsoft のサポートにより、Jira プラグインとコネクタの機能強化の開発プロセス (Atlassian は「簡単」で「楽しかった」と評しています) は、8 週間弱かかりました。Copilot for Microsoft 365 が一般提供されるようになったことで、同社は、この作業をさらに迅速に完了できると予想しています。Teams 以外にも、Copilot for Microsoft 365 が利用可能な場所であればどこでも、ユーザーは Jira プラグインにアクセスして使用できるようになります。

それは、最初から Copilot が拡張性を考慮して設計されているためです。ユーザーを喜ばせ、感動させる新しい AI を活用したプラグインの開発は、簡単でなければなりません

「AI は今後も定着し、私たちの働き方を変革するでしょう」と、Atlassian の DevOps ソリューション責任者である Suzie Prince 氏は述べています。「Teams で Atlassian Copilot を統合することにより、プロジェクト管理、情報検索、アイデア作成、スケジュール設定、レポート作成をシームレスに組み合わせることが可能になり、ユーザーはより価値の高い作業に自由に取り組めるようになると考えています」

プラグインの成長機会

Atlassian は、プラグインの利用を、ユーザーにとってのメリットだけでなく、有機的な成長への道として捉えています。同社は、Jira プラグインから得られる顧客の初期の洞察やリクエストを分析して、次にどのような新機能を構築するかを決定する予定です。また、最初のプラグインの開発ペースが速いため、分析、対応、さらにはエンド ユーザーのニーズに最もよく応えるための方向転換を行うための時間的余裕もあります。これは、AI 統合に対する顧客の大きな期待に応え、将来性のあるソリューションを支援する優れた方法であるだけでなく、ユース ケース、ひいては顧客ベースを拡大する手段にもなります。

「Copilot は、ユーザーが Teams を使用しながら Jira のプロジェクト管理機能をさらに活用するのに役立ちます。これは、すべてのユーザーの価値を高めることができると当社が信じている可能性の 1 つにすぎません」と Suzie Prince 氏は述べています。

AI 統合の未来

競争上の優位性として AI を早期に統合する余地は、まだ大きく開かれています。アナリストは、AI エコシステムが進化してより簡単かつ安価な統合が可能になるにつれて、導入の波が起こると予想しています。IDC が調査を行った 2,100 社を超える企業のうち、回答者の 71% が現在組織内で AI ツールを使用しており、22% が今後 12 か月以内に使用する予定であることがわかりました。この画期的な変化は、顧客のために斬新なユース ケースを開拓できる組織にとって、大きな成長機会となります。

Atlassian が Copilot との統合を重要な価値の付加と見なしているかとの質問に対し、Prince 氏は次のように述べています。「Copilot のプラグインの作成には 4 週間ほどかかると推定していますが、これは多くの組織が簡単に達成できます。アプリの統合やプラグインを進化させ、AI の高度なアプリケーションをパワーアップさせることは、製品を評価する顧客にとって重要な差別化要因になり得ます」

私は、この回答が洞察に富み、プラグインや Graph コネクタの構築方法を検討している組織にとってもガイドとして有用であると感じました。ビジネス上のメリットは明確でわかりやすいものですが、この基盤の上に何を構築するかによって、AI 時代における自社の位置づけが決まります。

Copilot の拡張と顧客の AI 活用支援の詳細を確認

Copilot for Microsoft 365 を使用してパートナー様が顧客にサービスを提供する広範な機会を最大限に活用する方法について、最近のブログ投稿をご覧ください。また、Copilot、Teams アプリ、および Microsoft サポートの詳細について、次のリソースをご確認ください。    

  • 組織で Copilot for Microsoft 365 を使用している場合は、プラグインの拡張性に関するパブリック プレビューにご参加ください。手順のページで方法を確認し、Copilot 用 Jira プラグインを有効化してください (組織が利用可能な場合)。
  • Teams メッセージ拡張機能と Graph コネクタを構築および展開することで、Copilot と統合できます。
  • パブリック プレビュー版の新しいツール、Microsoft Copilot Studio を使用して、ローコードでプラグインを構築できます。 
  • 企業および ISV 向けの Copilot for Microsoft 365 の拡張に関する最新ガイドをお読みください。

Jira Cloud がプロジェクト管理およびソフトウェア開発にどのような効果をもたらすか、興味がおありですか?Teams 用 Jira Cloud アプリの活用方法と、Copilot 用の新しいプラグイン (組織が利用可能な場合) について詳しくご確認ください。

パートナー様の成功事例をぜひ紹介させてください。事例をお持ちの場合は、パートナー成功事例ページからお寄せください。

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