A person carrying a phone and laptop in a modern office courtyard

アジアの金融サービス業界がエージェンティック AI を取り入れる中、この地域の変革を探り、このシフトをリードするパートナーに焦点を当てます。これは 2 部構成のブログ シリーズの第 1 部です。

「手紙を書いているようですね。お手伝いしましょうか?」

そう言ったのは、Microsoft Word の熱心なクリップ型アシスタント、Clippy でした。常に支援しようとした Clippy は、ある意味で Microsoft にとって AI への最初の取り組みでした。しかし、Clippy は戦略的協力者というよりも、比較的限られた機能を持つアシスタントとしての役割を担う存在でした。

あれから長い時間が経った今、私たちは、ユーザーまたは別のシステムに代わって自律的なタスクを実行できるエージェンティック AI の時代に突入しています。Microsoft では、エージェントを Microsoft 365 Copilot と人間の意欲と組み合わせることで、パートナーおよび顧客に対して AI の真の差別化を実現できると確信しています。受動的な AI システムの時代は終わり、今日では AI は戦略的な意思決定と変革を推進する上で不可欠なものとなっています。
 

アジアで高まる AI の勢い

47 億人を超える人口、急速なデジタルの普及、そして非常に多様な金融情勢を持つアジアでは、スケーラブルでインテリジェントなエージェンティック ソリューションの必要性がかつてないほど急務となっています。AI への移行は前例のないスピードで進んでいます。IDC によると、アジアの AI システムへの支出は 2028 年までに 1,750 億ドルに達すると予想されています。特に、銀行業と保険業を含む金融サービスがその大部分を占めると考えられています。 

さらに、Microsoft 2025 Work Trend Index の調査では、アジア地域の従業員が、人間の能力では不足する領域を補うためにますます AI を頼っていることが明らかになりました。主な利点としては、常時利用可能 (38%)、機械駆動型プロセスによるスピードと品質の提供能力 (31%)、無限に湧き出る創造的なアイデア (30%) が挙げられています。
 

Azure AI Foundry でエンタープライズを支援

Azure AI Foundry は、エンタープライズ グレードの AI 開発を民主化するための大胆な一歩を示すものです。この統合プラットフォームにより、開発者、IT 管理者、ソフトウェア開発会社 (旧: 独立系ソフトウェア ベンダー) は、より柔軟に AI アプリケーションとエージェントを構築、カスタマイズ、管理できるようになります。

Azure AI Foundry は、OpenAI、Meta、Mistral、Hugging Face など 1,000 を超える 生成 AI モデルを、GitHub、Microsoft Visual Studio、Microsoft Copilot Studio といった信頼できるツールと統合します。データ グラウンディング、オーケストレーション、デバッグ、展開のためのフルスタック AI ツール チェーンを提供し、すべてエンタープライズ グレードのガバナンスと AI セーフガードによって支えられています。これには、バイアス検出と緩和、説明可能性機能、プライバシー保護メカニズム、一般データ保護規則 (GDPR) や医療保険の相互運用性と説明責任に関する法律 (HIPAA) などの規制遵守のための監査証跡、そして監視と説明責任を確保するためのヒューマン イン ザ ループ (HITL) ワークフローが含まれます。

特筆すべきは、Azure AI Foundry Agent Service が、サードパーティの API (保険見積もり用の InsureMO など) の使用によりこの機能を拡張することで、AI エージェントが金融、人事、法務などの業界を超えて複雑なワークフローをオーケストレーションしながら、倫理的で透明性の高い AI 運用を維持できる点です。
 

金融サービス業界におけるエージェンティック AI

会計業務の自動化から保険契約の処理コスト削減まで、マイクロソフト パートナー、特にソフトウェア開発会社は、エージェンティック AI を活用してアジアの金融サービス業界 (FSI) を変革するための支援を行っています。エージェントの戦略的な利用により、組織は業務の効率化、意思決定の強化、自律的なイノベーションの推進が可能になります。これは、アジア全体の多様な金融課題に対処する AI の大きな可能性を示しています。

エージェントで何が可能になるかを示す実際の事例を通じて、エージェンティック AI がアジアの FSI をどのように変革しているかを探ってみましょう。

デジタル保険インフラストラクチャのリーダーである InsureMO は、ユーザー体験のデジタル化、手動データ入力の削減、レガシー システムの最新化、といった保険業界における主要な課題に取り組むことを目指しました。Microsoft とのパートナーシップにより開発された同社の AI を活用したソリューションは、Azure Cognitive Services、Semantic Kernel ベースのアーキテクチャ、Azure AD による安全なアクセスといった Azure テクノロジを使用し、高度にパーソナライズされた保険エクスペリエンスを提供します。InsureMO のアクション API は、Azure AI Foundry Agent Service で構築されたエージェントに利用でき、保険の洞察をワークフローに直接組み込みます。このプラットフォームは、保険申込コンバージョン率の 20 - 30% 向上や、コールセンターおよび手動処理コストの 25% 削減といった、目覚ましい成果を上げました。InsureMO は保険エクスペリエンスを再構築することで、リアルタイムのパーソナライゼーションを実現し、顧客の信頼とエンゲージメントを高めながら、人的労力を最小限に抑えます。その結果、革新的でスケーラブルな保険エコシステムが実現し、オファリングの拡大と複数地域での展開が計画されています。
 

「保険の意思決定は、特に自動車、住宅、旅行、中小規模企業 (SME) にわたる商品の見積もりにおいては、タイムリーで正確、かつ状況に応じた情報に左右されることがよくあります。アクション API を Azure AI Foundry Agent Service で構築されたエージェントに利用可能にすることで、当社は顧客が保険のインテリジェンスを直接ワークフローに組み込めるよう支援しています。この統合において当社が Microsoft と協働しているのは、AI エージェントが複雑なプロセスを簡素化し、保険会社とその顧客の双方にとってより迅速で効果的な成果を支援する方法に真の可能性を見出しているからです」
InsureMO、コーポレート シニア バイス プレジデント、Augustine Tay 氏

このソリューションは、Microsoft AI Cloud Partner Program の一環として、アクション API および Microsoft Marketplace を通じてアクセスできます。

Active は、オーストラリアと英国で事業を行っている Business Fitness が提供する、クラウドベースのプラットフォームです。Microsoft AI とインテリジェント オートメーションを活用して、会計ワークフローを大幅に刷新しています。エンタープライズ顧客は、コンプライアンス業務の完了に必要な時間が最大 28% 削減できたと報告しており、目標である 50% 削減に向けて前進しています。.さらに、多くの会計事務所は、人員を増やすことなく生産性を 20% 向上させており、業界の主要な課題である会計士不足に対応しています。主な課題は、急速に進化する AI 環境に適応しつつ、その使用が革新的で実用的かつ正確な結果をもたらし、レビューを最小限に抑えるようにすることです。Active は、Azure OpenAI、AI Search、Document Intelligence などの Azure AI テクノロジを使用して、高度なセマンティック検索と自動文書分析のための新しい機能を実現しています。コア サービスは Azure Kubernetes Service (AKS) 上で実行され、AI モデルのスケーラブルな展開を可能にする一方、Azure SQL エラスティック プールとベクトル データベースがリレーショナルおよび AI データを管理しています。Azure 上に構築されたこのプラットフォームは、Microsoft 365 とシームレスに統合され、堅牢でグローバルにアクセス可能なソリューションを提供しています。

このソリューションは、Microsoft Marketplace で見つかります。

オーストラリアに拠点を置く Brilliance Financial Technology (BXFIN) は、商業銀行向けの主要な取引管理および収益性ソリューションを開発しており、銀行が信頼性の高い環境、社会、ガバナンス (ESG) データを取得するための研究開発も行っています。BXFIN は、これらの銀行が顧客リスクをより適切に管理し、ポートフォリオを持続可能性の目標に合わせられるようにします。従来の手法は一貫性に欠けていたため、AI 駆動型ソリューションの採用が進められました。BXFIN の DPX プラットフォームは、迅速な展開とスケーラビリティを促進するために Microsoft Azure 上でホストされており、Azure Document Intelligence を使用して文書分析を最適化し、タスクを自動化することで、最終的にワークフローの合理化と正確性の向上を実現できます。BXFIN は、AI プロビジョニング ワークショップと Microsoft アクセラレータを通じて、銀行向けのデモンストレーターを開発し、契約を獲得しました。BXFIN は、2025 年までに収益を 30% 増加させ、新しい 3 行のティア 1 グローバル銀行を顧客に迎え、既存の 3 行のクライアントを SaaS (サービスとしてのソフトウェア) モデルに移行させることを見込んでいます。同社の AI ソリューションは、反復的な手動タスクを削減して、ESG データの正確性を向上させ、多様なペルソナに合わせて評価を要約することを可能にし、銀行業務と持続可能な慣行における AI のさらなる採用への道を開きます。

このソリューションは、Microsoft Marketplace で入手可能です。

Microsoft の初期の AI 実験から今日のエージェンティック パラダイムへの道のりは、単なる技術進化のストーリーではありません。それは、人、パートナー、組織がより少ない労力でより多くのことを成し遂げ、これまで以上に大きな夢を描くことを可能にするストーリーです。

以下のリソースを探索し、詳細をご確認ください。

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