アジアのデジタル経済が急成長を続ける中、革新的なパートナーシップや革新的なテクノロジへのニーズも高まっています。「フロンティア フォワード:アジア エディション」シリーズでは、主要なマイクロソフト パートナー企業の経営層へのインタビューを通じて、この分野における成功のあり方を紹介しています。
エピソード 2:Celebal Tech のグローバル イノベーション
シリーズ第 2 弾では、インドのジャイプールに本社を置くデータおよび AI のリーディング パートナー、Celebal Tech の共同創設者兼 CEO、Anirudh Kala 氏にお話を伺っています。Anirudh 氏には、Celebal Tech と Microsoft とのパートナーシップに関する洞察、そして Azure AI とデータの能力を活用して世界中の企業をどのように支援しているかについて、お話しいただいています。
対話の主なポイント
- 「インドで生まれ、世界のために構築」:Celebal Tech はインドで創業し、現在は世界各地で事業を展開しています。現地の専門知識と、各地域の規制や市場への深い理解を組み合わせて活動しています。
- 業界に特化したイノベーション:各業界や地域に合わせたカスタマイズ ソリューションを提供し、クライアントごとにコンプライアンスへの順守と関連性向上を実現しています。
- 変革をもたらした顧客事例:Celebal Tech は、カナダの法律事務所によるほぼリアルタイムのレポート作成や、米国の製造業者による AI 駆動型エージェント ソリューションを活用した業務改善などを支援しました。
- Microsoft とのパートナーシップ:Microsoft との強力なパートナーシップにより、企業のデータ、統合、ガバナンスのニーズに対し、安全なエンドツーエンドのソリューションを提供しています。
- エージェンティック経済の展望:LLM や AI エージェントが普及する中、真の価値は、統治され、追跡可能かつ説明可能で、効果的な「エージェンティック経済」の創造にあります。Celebal Tech が石油およびガス探索用などのドメイン特化型エージェントに注力しているということは、AI 導入における深い業界知識がいかに重要かを示しています。
Celebal Tech がいかにしてさまざまな業界で AI の最前線を切り開いているか、以下の動画またはトランスクリプト全文でご確認ください。
最新情報の入手
この地域全体でイノベーションを推進するマイクロソフト パートナーによる事例については、「フロンティア フォワード:アジア エディション」で引き続きご確認ください。
トランスクリプト全文:
免責事項: この書き起こしは AI 生成によるものであり、誤りが含まれている可能性があります。正確な内容については、元の音声またはスクリプトをご確認ください。
Bhaskar Basu:
おはようございます。Anirudh さん、本日はお越しいただきありがとうございます。ここにお迎え出来て大変光栄です。まずは、皆様に向けて、自己紹介をお願いします。
Anirudh Kala:
Bhaskar さん、今日はお招きいただきありがとうございます。Anirudh Kala と申します。Celebal Tech の共同創業者兼 CEO です。当社は、インドのジャイプールに本社を構えています。私たちは主に Microsoft のデータと AI パートナーであり、実は 10 月 13 日で創業 9 周年を迎えました。当社は Microsoft ソリューションに注力しており、Azure AI とデータ機能 (大規模企業向けのスタック) を活用し、大規模企業と協力して、既存のレガシー アプリケーションにインテリジェンスをもたらしています。これには、エージェンティック、古典的な機械学習、トランスフォーマーベースのニューラル ラーニングなど、さまざまな形態の場合があります。
私たちが創業時に抱いたアイデアは、「レガシー エンタープライズ」と「最新クラウド イノベーション」という 2 つの経済の組み合わせでなければならないという事実に基づいています。私の意見では、Azure は、生産性から ERP、統合に至るまで、その完全なスタックをエンドツーエンドで持っている唯一のプラットフォームです。そしてもちろんその上には、目標達成をサポートする、大規模な AI プラットフォームとエージェンティック プラットフォームがあります。このように、私たちは Microsoft のパートナーとして、インドをはじめ、世界中の最大級の顧客とグローバルに協力しています。
Bhaskar:
ありがとうございました。あらためて、9周年、おめでとうございます。そして、Microsoft の強力かつ献身的なパートナーとしてご活躍いただき、心より感謝申し上げます。
Celebal Tech に関する理解が深まったところで、サービスを提供されている市場と、より大きな市場開拓のビジョンについてもう少し詳しく教えてください。
Anirudh:
当社は世界中で事業を行っています。もちろん、まずはインドからスタートしました。この分野のいくつかの大企業とも協力しています。また当社は、ASEAN 市場全体、オーストラリアとニュージーランド、そしてもちろん日本もカバーしています。どの国にもそれぞれの特色があります。ある国では製造業が、別の国ではエネルギー産業が主軸となっています。そしてもちろん、現時点で当社の顧客の大きな部分を占めているのは、米国とヨーロッパです。
カナダ、スイス、ドイツといった国々は、エネルギーや製造の分野で私たちにとって非常に大きな市場です。米国は、言うまでもなく主に小売、CPG、ヘルスケア、ライフ サイエンスが中心です。そしてもちろん中東はエネルギーが中心です。多少製造もありますが、やはり主軸はエネルギーです。私たちは、単に地域に焦点を当てるだけでなく、地域と産業、つまり特定の地域における特定の産業に焦点を当てています。そして、これらすべての産業が、各地域で同じような動きをするわけではありません。
そのため当社は、Microsoft のプラットフォームを活用し、その国、その産業に深く入り込んだソリューションを提供し、その地域の法規制に合わせた非常にローカルな対応ができるようにしてきました。たとえば、欧州には GDPR 法があります。インドでは、AI に関する新しい法律が施行されつつあります。そのため、これらの国やドメインごとに、AI やデータを扱う上での対処方法があります。そして、それこそが当社の専門とするところだと考えています。
Bhaskar:
ありがとうございました。私にとって最大のポイントは、「インドで生まれ、世界のために構築」だと思います。貴社のそれぞれの市場に対する深い理解、つまり課題、機会、そしてそれらへの対処方法が、他者との差別化につながっていることは明らかだと考えます。興味深いお話、ありがとうございました。
さて、Anirudh さんは、顧客との関わりや、サービスを提供しているさまざまな市場について言及されていましたが、顧客エンゲージメントの側面についてもう少し深く掘り下げていただけますか? また、Microsoft Cloud 上で顧客のために実現した最近のインパクトのある事例や、変革的な成功例を共有していただけますか?
Anirudh:
では、カナダの顧客と米国の顧客の 2 社についてご紹介します。
カナダの顧客は法律事務所で、ほぼリアルタイムでのレポート作成という課題を抱えていました。法律の分野では、私たちは法律を非常に異なる角度から理解していますが、技術的な観点から見ると、法律はまた非常に異なる視点を持っています。案件、結果、調整、調整の再調整 — あらゆる瞬間でこれらが行われています。そしてこの法律事務所は、実行プラットフォームで行われるごとに、それらを把握したいと考えています。そのために、「ほぼリアルタイム」のレポート作成が必要なのです。
この法律事務所は従来的な BI ソリューションを使用しており、カナダ全土、さらには米国の弁護士向けに情報を可視化するのにほぼ 1 日かかっていました。そこで当社は、Fabric を使って、そのプラットフォームをエンドツーエンドで構築しました。その選択は、少々難しいものでした。おそらく法律の分野でのみ使用されるシステムの一部との統合は、接続性や統合の点で簡単ではありません。しかし、Fabric は、それを可能にします。この点が決め手になりました。
難しかったのは、毎秒の処理を実行すること、それも米国とカナダ全土で数百万件のケースに対して実行することでした。つまり、おそらく数百万件のレコードがシステムに取り込まれ、その瞬間に即座にレポートが作成されるということです。Fabric なら、それが可能でした。そして今、顧客が意思決定にかかる全体的な実行時間を 60% 以上短縮できました。これは、顧客の利益にも、そしてもちろん売上にも直結する非常に大きな成果です。
もう 1 つの事例は、米国全土で有名な大手家電メーカーです。この会社は米国全土で非常に有名で、当社は Copilot と Azure AI Foundry を使用して、すべての消費者向けにこのエージェンティック ソリューションを構築しました。これは、両サービスを組み合わせたものでした。Copilot はノート PC やブラウザで利用できるため、いつでもデータを見てチャットできます。これは、単に彼らが試してきたメールの要約機能や、単純なチャットによる結果ではありません。これらは、ERP や MES に関わる、プラント マネージャーやサプライ チェーン マネージャーといったペルソナを前提とした、非常に高度で本格的な結果です。そして、そこに私たちはこの Foundry レイヤー全体を構築しました。このレイヤーは、ペルソナや統合のオーケストレーション、そして何よりも可観測性とガバナンスを可能にしています。
現在、私や当社、そして Microsoft が重視しているのは、AI がエージェントを生み出すことはもはやコモディティであるという事実です。LLM はコモディティ化しており、最高クラスのものがプラットフォーム上に揃っています。そこには何の懸念もありませんが、それは真の価値ではありません。Microsoft の AI プラットフォームがもたらす真の価値は、可観測性と追跡可能性です。エージェントがインスタンス化されたときに、ユーザーが思い描いたのとまったく同じように機能していることを保証し、実行したすべてのステップをさかのぼって確認できる能力、これこそが顧客にとって真の差別化要因であると私は考えています。そして、それは Azure AI Foundry プラットフォームでは標準機能として利用できるため、可能になりました。
これらは、顕著な価値を生み出している、非常に説得力のある 2 つのユースケースだと私は考えています。もちろん、表には出てこないメリットもたくさんありますが、当社の顧客が得ているのは、明確かつ具体的で、顕著な成果です。Microsoft と協力して、顧客のためにそれができたことを非常に嬉しく思っています。
Bhaskar:
ありがとうございました。当社とのパートナーシップが、共通の顧客のために価値を拡大し、推進するのに役立っているとおっしゃっていただき、本当にありがとうございます。この流れで、当社と貴社とのパートナーシップについて少し触れておきたいと思います。
Microsoft と協力することで、貴社のビジネスを拡大するのに役立ったと感じる経験や、ベストプラクティスについてお話しいただけますか?
Anirudh:
当社は、Microsoft を唯一のアライアンス パートナーとして事業を始めました。実際、現在でも当社の OEM とのチャネル パートナーシップの 95% 以上は Microsoft で、ほぼ唯一のパートナーシップであると言えます。私たちは Microsoft とともに、GTM チャネルを活用できました。Microsoft と提携し始めていた当初は、「build-with (ともに構築)、sell-with (ともに販売) モーション」と呼ばれていました。そして、それが本当によく機能したのは、当社が持ち込んだ業界に関する深い専門知識と、それらの組織に存在していた Microsoft のエコシステムでした。
特定の成果のためにクラウドを活用しようとしている組織にとって、Microsoft は非常に明白な選択肢となりました。そして私たちは業界の専門知識をプラットフォームに持ち込んだことで、それらの顧客のエコシステムにスムーズに入り込めました。私たちに効いた成功のマントラは、「うまくいった理由は、技術だけ、あるいは特定タイプの顧客向けのソリューションだけではない。業界に関する深い専門知識と、全体的な業界の成熟度だ」ということだと思います。
私が意味する「業界の成熟度」とは、非常にコンプライアンスを遵守した方法で、すべてのレガシー エンタープライズに接続し、セキュリティ レイヤー、ガバナンス レイヤー、消費レイヤー (BI または AI ダウンストリーム アプリケーションでのデータ消費)、アプリケーション レイヤーを提供することです。そして、顧客が成果を出すためだけでなく、すべてのコンプライアンスとセキュリティ、CISO (最高情報セキュリティ責任者)、ファイアウォール、およびユース ケースに応えられる一式のスイートとして、顧客に提供することです。これこそが、Microsoft Azure を推進する上での最大の差別化要因だと思います。なぜなら、Microsoft はこれらのエンタープライズに存在しているからです (特に Azure、そして今や AI プラットフォーム)。これは、Microsoft プラットフォームが実現するこのエンタープライズの成熟度があるからです。
Bhaskar:
お話しいただき、ありがとうございました。当社も、この関係を非常に大切にしています。貴社の業界に関する深い理解、揺るぎないパートナーシップのおかげで、当社も明確にスケーリングできます。
さて、最後の質問となりますが、視聴者の皆様に何か一言いただくとしたら、何でしょうか?
Anirudh:
市場には、エージェンティック、AI、およびその他諸々のキャッチフレーズがあると思います。もちろん、LLM は今やコモディティ化しつつありますし、エージェント自体も近い将来 (あるいはすでに) コモディティになるだろうと考えます。それは、誰がエージェントを速く売るかということではありません。統治され、追跡可能かつ説明可能、そして最も重要なことに、効果的なエージェンティック経済を誰が創造するかということになるでしょう。エージェンティック エコシステムについて考え始める前に、その 4 つのパラメーターについて考えられるかどうかが、世界の進む方向だと思います。
そして、パートナーとしての当社にとっての変化は、もちろんその上にドメイン インテリジェンスが加わったことです。私たちは単にエージェントを売っているのではなく、ドメイン エージェントを売っています。たとえば、石油およびガス産業であれば、アップストリーム、ミッドストリーム、ダウンストリームのすべてに対応します。アップストリームだけでも、探査生産に進み、探鉱ではリソロジーに踏み込み、さらにその先には坑井を仕上げる工程を扱うエージェントも備えています。
それはチャット要約機能かもしれませんし、3 つか 4 つの技術スキルを持つ RAG エージェントかもしれません。しかし、私がドメインに深く入り込むのは、非常に特定のユースケースにおいて、坑井仕上げ作業の担当者のペルソナをどのように引き受け、そしてその人物をどのように助けるかという点です。そして、組織で AI を具現化する方法についての考え方は、人間と AI の共存です。そして、Microsoft と Celebal Tech は、プラスとなる存在です。私たちは、実現者です。私たちは AI そのものではなく、実現者です。それが、大規模エンタープライズ エコシステムにおける AI の実現方法だと思います。
Bhaskar:
素晴らしくまとめていただきました。エージェンティック経済は、Celebal と Microsoft のパートナーシップによって真に現実のものになるということですね。
Anirudh さん、貴重な洞察と素晴らしいご経験についてお話しいただき、ありがとうございました。Microsoft としても、貴社の成功を今後の心から願うとともに、今後このパートナーシップが拡大していくことを非常に楽しみにしております。どうもありがとうございました。
Anirudh:
ありがとうございました。